CBI CABCの役割と専門性

動物行動の専門家であるビヘイビアリスト(behaviourist)をご存知でしょうか?
日本でも増えてきたドッグトレーナーですが、厳密に言うとドッグトレーナー、ドッグトレーニングインストラクター、行動治療カウンセラー、獣医師といった各専門家の間には、その役割の定義に違いがあるのです。

日本では、犬の行動に関わる職業としてドッグトレーナーや訓練士が一般的で、残念ながら「犬のしつけや問題行動の改善」=「トレーナー/訓練士」として認識され、すべてがひとくくりにされています。しかし、これらの言葉はより厳密に定義され、職域の専門性や役割に応じて使い分けられるべきなのです。​


➢ ドッグトレーナー/訓練士の主な役割 
ドッグトレーナーは、犬(=ドッグ)のトレーニングをおこなう人(=トレーナー)ですから、主に犬を相手とし、基本的に飼い主の介入はないのです。
  ① 犬のトレーニング(問題行動の発症がない場合のしつけ)

犬のトレーニング

ドッグトレーニングインストラクターの主な役割
ドッグトレーニングインストラクターは、犬(=ドッグ)のトレーニングをおこない(=トレーナー)、 インストラクション(=飼い主への指導)ができる人ですから、犬のトレーニングとその方法や管理について飼い主への適切な指導ができることが要求されます。
  ① 犬のトレーニング(問題行動の発症がない場合のしつけ)
  ② 飼い主指導(インストラクション)

犬のしつけ 飼い主指導

​➢ CABC(行動治療カウンセラー=ビヘイビアリスト)の主な役割
CABCは、コンサルテーションにより犬の行動に関わる専門的見解に基づいた行動的症状の行動分析とその説明をおこなったうえで、しつけとしての犬のトレーニング、問題行動症状の修正、飼い主指導(インストラクション)を行います。

特に問題行動の症状が認められる場合には、正確な行動分析と説明ができなければ、適切な行動修正計画を組むことができず、その改善や修正は見込めないのです。原因が明確ではないのに、強制的に問題行動を取り扱うことは危険、かつ犬のウェルフェアに抵触する可能性が高いのです。
病気やけがなどの身体的症状は、行動分析と説明により原因を把握したうえで治療を開始します。本来、行動的症状についても十分なコンサルテーションによる行動分析と説明をおこない、行動の原因を究明しなければ問題行動の修正には取りかかれないはずなのです。これがトレーナーや訓練士との決定的な違いであり、より高い専門性が求められる理由なのです。
  ① コンサルテーション(犬の行動分析と説明)
  ② 飼い主指導(インストラクション)
  ③ 犬のトレーニング(問題行動の発症がない場合のしつけ)及び
    行動治療計画の実施(問題とする行動的症状の修正)

行動カウンセリング 犬のしつけ 飼い主指導
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